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月餅は、もともと中秋節だけのお菓子だったアヒルの塩漬け卵の黄身は、満月のしるし

いまでは一年中買える月餅。けれど本来は、秋の「中秋節」の時期にだけつくられる特別なお菓子でした。

中秋節は、満月を祝う日

旧暦の8月15日は「中秋節」です。十五夜の満月を眺めながら、秋の実りを祝う日で、中国では春節、端午節と並ぶ三大節句のひとつとして祝日になっています。

この日は、嫁いだ娘も実家に帰り、家族そろって食卓を囲みます。そのため「団円節」とも呼ばれます。中国では、欠けたところのない満月は「円満」のしるしとされ、一年でいちばん丸く見える中秋の満月がとくに大切にされてきました。

月餅は、中秋節の特別なお菓子

月餅は、いまでは一年中買えますが、本来は中秋節の時期にしか食べない特別なお菓子でした。

横浜中華街でも、中秋節が近づくと、この時期だけの「中秋月餅」が店頭に並びます。店ごとに中身や形が違うので、食べ比べる楽しみもあります。

黄身は、お月さま

中秋月餅の代表が、餡の中にアヒルの卵の塩漬けの黄身が丸ごと入った月餅です。この塩漬けの黄身を「鹹蛋(ハムタン)」と呼びます。ねっとりと濃い味で、切ると中から満月のような黄色い丸が現れます。

餡は、和菓子でおなじみの小豆ではなく、ハスの実の餡がよく使われます。小豆の餡よりなめらかで、甘さは控えめです。

ここがポイント 中国では、大きな月餅をケーキのように6〜8つに切り分けて、家族で食べます。黄身の入った一切れが「当たり」です。

月餅ができるまで

中華街の工房では、月餅はいまも職人の手でひとつずつつくられています。

  1. ハスの実の餡で、塩漬けの黄身を包む
  2. 小麦粉とかん水、砂糖を練った生地で、餡をくるむ
  3. 木型に入れて、模様をつける
  4. 一度焼いてから、つや出しの卵を塗って、もう一度焼く

中秋節は毎年日付が変わる

中秋節は旧暦で決まるため、西暦の日付は毎年変わります。2026年は9月25日、2027年は9月15日です。中秋月餅が店に並ぶ時期も、それに合わせて毎年ずれます。

次に食べるときは 家族や友だちと切り分けて、黄身が入った一切れを誰が引くか楽しんでみてください。